治験とは、臨床試験とも呼ばれ新しい医薬品や治療法の効果や安全性を評価するための研究です。お薬開発の初期段階では健康な人を対象に行われることが多く、その後疾患をお持ちの患者へ投与しつつ反応を確認していきます。このように被験者として参加いただける方を治験ボランティアと呼びます。
治験は、新しい医薬品や治療法を開発するために欠かせない研究であり、多くの人々の命を救うために重要な役割を果たしています。しかし、治験に対する理解は十分ではなく、治験ボランティアという言葉自体がなじみがない人も多いかもしれません。
そこで、この記事では治験とボランティアの歴史や意義について解説し、治験ボランティアになることで得られるメリットについて一般的な情報をまとめご紹介します。
1.治験ボランティアのはじまり
治験ボランティアが始まったのは、20世紀の後半からです。
当時、新しい医薬品を開発するための臨床試験には自分の病気を持っている患者が参加していました。しかし、患者が多数の薬を試しているため副作用などが発生することがあり、試験を行うための適切な患者を見つけることが困難でした。
このため、新しい医薬品の開発に必要な臨床試験に参加する人たちを募集することが始まりました。最初は、医学部の学生や医療関係者が参加していましたが、その後一般の人たちも治験ボランティアとして参加するようになったのがはじまりとされています。
2.治験歴史と変換の概要
治験ボランティアの歴史的な変遷には、被験者の保護や治験の透明性が求められるようになる過程があります。
そんな治験の歴史と変換の概要をまとめました
1900年代初頭、医師たちは自分たちの開発した治療法を患者たちに試すことが一般的であった。
1930年代に入ると、米国では医薬品の承認基準が設けられ治験が必要となる。
1940年代には、最初の大規模治験が行われ医薬品の開発に必要な知見が蓄積されていった。
1950年代に入ると、治験に参加する被験者の保護を目的に倫理的な観点からのガイドラインが作成される。
1960年代には、治験の倫理的な観点からの問題が多発。さらなる保護の必要性が叫ばれるように。
1970年代以降、治験の透明性が求められ被験者の権利保護に関する法律やガイドラインが制定。
このように、長い歴史をかけて治験に対する安全性は整理され続けてきました。現在では被験者の権利保護に関する法律やガイドラインが整備され、治験に参加することが一般的になっています。
3.治験ボランティアと社会貢献
治験ボランティアは、医療分野における研究開発の一環として新しい医薬品や治療法の開発に協力することができます。治験ボランティアが参加することで未来の医療の発展に貢献することができる他、自分自身の健康管理にもつながる場合があります。
一方、一般的なボランティアは、社会福祉や環境保護など社会全般の問題解決に向けた活動に取り組むことができます。
治験ボランティアと一般的なボランティアは、目的や参加方法、対象となる分野などが異なる点があります。しかしどちらも社会貢献につながることから、自分ができることを見つけ積極的に取り組むことが大切であると考えます。
また治験ボランティアは、よくバイトと勘違いされることがあります。よくある高額バイトとは異なりますので詳細は以下の記事を参照してください。
4.治験ボランティアが医療に与える影響
治験ボランティアという形で医療の最前線に立つことができる機会があります。
このようなボランティアは、新しい治療法や医薬品の開発に欠かせない存在であり、その影響は非常に大きいものがあります。また治験ボランティアと一般的なボランティアの違いについても説明しました。
一般的なボランティアは社会貢献のために活動することが多いのに対し、治験ボランティアは、自分自身の健康を顧みず新しい治療法や医薬品の開発に貢献することを目的としています。
治験ボランティアは、医療の発展に欠かせない存在でありその貢献は大きなものがあります。
ただし、治験にはリスクが伴うため十分な理解と情報収集が必要です。自分自身の健康についても十分に配慮した上で治験ボランティアとしての貢献を考えることが大切であると言えます。
まずはご自身に該当する案件があるかご確認してみてください。
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